投稿日:2008-02-28 Thu
『親友と恋人と』 椎崎 夕 (大洋図書)評価:





<あらすじ>★いつも隣にるのが当あたり前になっていた・・・★
祐一にはもれなく貴則がついてくる。坂下祐一と中司貴則は、学部は違うがいつも一緒にいる親友同士だ。お人好な祐一をいつも中司がフォローしているのだ。だが、中司に好きな人がいると知ったとき祐一はなぜか胸が苦しくなった。どうして?そんな胸の痛みに気づかない振りをしていたのだが、ある誤解からすれ違い中司から拒絶されるようになってしまい・・・
これは主人公の性格がもろにツボでした。うんうん、無理してるようでまったく無理してるって感じてない人間。で、どんどん追い詰められていつの間にかボロボロになる。なんてか、そうなってること自体というより、相手の心無い言動が浮き彫りになって、でもそういう人間をなんでもないって受け止める瞬間が好きなんですが。
でも読む時はけっこうきつかった、この話。なにせ相手役・中司の感情がまったく見えないんだ。最初の方の言動で惚れてるんだろうな、ってのは分かったんだけど。祐一と喧嘩して、そっからの態度がまったく謎。なんか訳があるんだろうなぁと思っても、あまりのすげなさに祐一に惚れてるって思ったことにも自信がなくなってくる。
最後の並木のとこは良かったですが。もう本人ボロボロじゃないか。全部どうでも良くなってる感じで。こういうのはホントに好み。「さっきから、何度も言ったよね。もう構わなくていいって。それとも、おれはそんなに目障りなのかな」この台詞は抜群でした。
で、中司が最終的に冷たかった態度のわけを話すんだけど・・・欲求不満って、それはちょっと無理ありすぎなんじゃ?このまとめかたは大いに不満だった。理由が無理やりすぎる。
それから祐一が中司の態度の冷たさについて、自分の気持ちがばれたからだって思って落ち込んでたんだけど。この祐一の思考回路は分かるようで分からない。ていうか、やっぱり無理がある。全部自分のせいってのに固執しすぎ。そっちに無理やりもってこようとしてるから、なんだか違和感いっぱいになっている。祐一がもとからなんでもかんでも自分のせいだって思い込む性格だったていう設定にしたいみたいだけど、本質的にはしっかりしてるんでしょ、この人。そういう人物像として、この思考回路は合わない。もっと弱くて、病的なくらいなんでも自分のせいだって思い込んでる痛い主人公が書きたいなら、最初の性格設定を変えるべき。でもたぶんそれだと中司は祐一に惚れることはなかったろう。
基本的に設定は好みなので、細部までつっこんでほしかったなぁ。この作者さんは痛い主人公書ける人なので、いつも大きな期待をして読み始めるのです。
![]() | 親友と恋人と (SHYノベルス142) (2005/10/11) 椎崎 夕 商品詳細を見る |
△ PAGE UP



