投稿日:2008-02-28 Thu
『愛は冷蔵庫の中で』 松前侑里 (新書館ディアプラス)評価:





<あらすじ>宇宙の果てはどうなっている―?課外授業で訪れたプラネタリウム。生徒に無茶な質問をされて困っていた葉月は、自称宇宙マニアの飛島に助けられる。その彼が臨時教員として同じ寮に越してきた。軽い調子で口説かれ反発する葉月だが、彼の大らかさに次第にひかれていく。だが失恋以来自分に自信が持てずにいた葉月は、次の恋に踏み出すことができず…?「階段の途中で彼が待ってる」の飛島の恋のお話登場。
これはキーワードを綺麗に使いこなせてたお話だった。主人公・葉月の気持ちが冷蔵庫の中で凍ってるっていうフレーズはなるほどな感じ。でもこの話の最大の魅力は、飛島の台詞と葉月の思考回路に現れるウィットさ。
スペースシャトルがなぜ地球に戻ってこれるのか?って質問に「大人用の答え教えなきゃな」という飛島。小難しいこといわれるんだって、こっちも身構えるんだけど「スペースシャトルが戻ってくるのは、大好きな地球に帰りたいからだよ」。おお!って思った。答えかたももちろんなんだけど、こっちが大人用ってとこになるほどっと思わされる。確かに小学生に言ったら、子ども扱いされてるって怒り出すね、奴らは。そういうとこが子どもでほほえましいのね。
飛島先生はあいかわらず純情してる。切ないの抱え込んでるくせに、そういう感情まったくみせないのがヤツのすごいとこだ。この話は飛島のキャラクターに支えられてる点が大きい。
葉月さんはやっぱり家庭に問題があって、心に歪みがある。それをどうにもできないから恋はしないってとこから始まる。松前さんの話にはよくある、というか共通して言いたいことなんだろうけど、コーリング。葉月も呼ばれてる、お仕事に。こういう考え方は好みです。
今回は主役二人の交流がいつもよりずっと多くて、恋愛の方が綿密に描かれてた。松前さんの話って甘甘書いてるようにみせかけて、あんまりラブラブしてるように読めないところがすごい。文体のせいなのかなんなのか。でも読み終わって話整理してみると、単なるラブラブ話なんだこれが。摩訶不思議。
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