投稿日:2008-02-18 Mon
『鬼の風水』全八巻 岡野麻里安 講談社ホワイトハート評価:





これはだいぶ古い作品になります。読んだのが五年前のことなんですが、その時にはもう出版されてだいぶ時間がたってたはず。どうやら1995年夏出版らしい。私がBLにはまるきっかけになった愛着ある作品。
<あらすじ>私立高校昴(すばる)学園に通う17歳の筒井卓也(つついたくや)は、ある日突然、両親から修行命令を下される。鬼退治や退魔(たいま)を行う〈鬼使い〉の一族ながら、いつまでも半人前の卓也に与えられた任務は、半陽鬼(はんようき)にして超一流の退魔師である篠宮薫(しのみやかおる)とコンビを組んでのボディーガードだった。冷徹で無感動な薫と、優しく実直な卓也。2人の意気は、はたして投合するのか…!?霊能力コンビが繰り広げる、妖しの世界のオカルト・ファンタジー開幕!!
上のは一巻のあらすじ。二人は最終的に愛し合うようになるんだけど、最後は泣きました、はい。
知ってる方、少ないと思うので知らないの前提でめずらしく進めます。
これは岡野作品の中では秀逸だった。というか、岡野作品は過去にさかのぼるほど良い。最近のものになると、コメディテイストが強く入りすぎててシリアス好きには受け付けない。なになシーンも最近のは増大。なんたって「鬼の風水」は全八巻中、セックスシーン一回しかない!(セクハラはされてるけど 笑)しかもその一回はめっちゃ抽象的。でもそれが色っぽい金ひかるさんのイラストとマッチして、印象的なうえ切ない感じにしあがっている。うん、うまい。
岡野作品の流れは、まんま時代の流れな感じがする。最近はコメディテイストのかる〜い作品が好まれるよう。本屋で真堂樹さんのコバルト最新シリーズ見たときには正直泣きたくなった。なんで!?って感じ。
で、「鬼の風水」がうまいと思われる点。
なんといってもやっぱり薫のキャラクター。こいつまったくしゃべらない。で、眼差しだけで伝えてくる。「〜と言うような薫の眼差しが」ってフレーズがやたら連発する。薫は卓也に最初からメロメロなのだが、喋らないうえ卓也が鈍いおかげで全然伝わらない。読んでる方には薫の切なさはビシバシ伝わってくるから、なんだかたまらない。
二つ目は、卓也の特殊能力。鬼にしか分からないあま〜い匂いが体からしているらしく、やたらセクハラを受けている。で、それを薫に助けられる。こういう設定好きだなぁ。
で、三つ目は鬼の愛情表現。これが一番すごいところ。鬼の最大の愛情表現が「相手を食べる」ってことらしく、鬼と人間のハーフな薫はジレンマがあるわけです。で、最終、食べられてもいいっていうところに辿り着く卓也の台詞!切ない!
物足りなかったのは、シリーズの一番最初にほのめかされていた主人公二人の幼いころの邂逅についてあまり語られていなかった点かな。
とりあえず読んでまったく損のない作品。ラブ度は非常に低いですが。最近これの続編がでていて、やったぁ!と思って本屋に行ったんですが・・・・撃沈。まるっきり薫違う人間になってるし!誰、こいつ!とりあえずしゃべりすぎ!岡野さんの最近の作品テイストにのまれちゃった感じだった。イラストレーターさんが変わっちゃったのも残念。なので、ほとんど読まずに放置状態。本編を強く勧めます。
薫(KAORU)―鬼の風水〈1〉 (講談社X文庫―ホワイトハート)
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