投稿日:2008-02-17 Sun
新刊はもちろんのこと、日々少しずつ昔読んだ作品の書評をのせていこうと思っています。初回はまだ最近?の作品になる「SASRA」。四人のBL作家さんがユニットを組んだことで話題になった作品ですね。
SASRA1〜4 評価:





プロローグはスルッと読めてしまうなかなかのできでした。ほんのり訳あり(水が怖かったり、痣があったり)の主人公が相手役の剛将につっかかっていくところなど、私としてはひちかわさんくさいと思う点がちらほら。
プロローグがまずまずだったので、第一話エジプト偏はわりと期待してのぞんだものの…撃沈。なんというか、シリーズの始まりなので読まないと訳わかんなくなるんだろうなと我慢して読みました。これがまたなかなか終わらない。斜め読みしても進まなくて挫けそうになった…。
とりあえず言えることは、主役の二人に人間味がない。BL作家がBL中心でファンタジーを書く時、はまってしまう罠にまんまとひっかかってる感じだった。神秘的に、綺麗に、書こうとしすぎて失敗している。エンターテイメントなファンタジーなんだから、面白みは必要。そこのとこ忘れてる。最初からビシバシの両想いだったってのもいただけない。結ばれても、そうだろうねとしか思えない。まあただこの辺は、ページの都合上しかたないのかもしれない。
実は和泉桂さんと岩本薫さんを読んだことがないので、識別できないんだけどエジプト偏書いたのはこのお二方のどちらかじゃないかと思う。木原さんではまずないし、ひちかわさんでもないはず。
第二話中国偏。これはSASRAシリーズの中で一番好きな話かもしれません(といっても実は全部は読んでないんですが 笑)。やっとキャラクターに生々しさが出てきた感じです。人間汚いことを考えるのは当たり前なわけで、それのどこが汚ねぇんだよ!っと読者に思わせてしまうようなセシェンの思考(アケトの為に祈る自分は汚いetc)はいただけない。アケトはアケトで父親に対する憐憫の情をもうちょっとうまく表せてたら…っと、いけないいけない、中国偏の話でしたね。そこいくと、中国偏の紅蓮は良かった。人間としてちゃんと生きている感じがする。
鷹峻に対して嫌悪に近い感情を抱きながら始まる話。おいおいおい!紅蓮、なんでそう思っちゃうの!というはがゆさから、どんどんページは進む。そして鷹峻の目が見えなくなったという衝撃の事実。この事実を知らされた時、自然と部屋に明かりをつけた過去の鷹峻が思い起こされて、じんわり切なさがにじんでくる。やっと紅蓮が鷹峻と暮らし始めた時には心底良かったぁと思いました。あ、あと、あの紅蓮の泣いてる挿絵良かったです(笑)。
このシリーズは最終話までは悲恋で終わらせるという制約があるから、最後に別れてしまうのは分かっている。でも最後まで辿り着いた時には、そんな!っと思ってしまったな。
全体量が少ないので多少物足りない感、もっとじっくり描いてほしかったなぁと思うところはありましたが、これはよかった。第二話は木原さんでしょうか。江戸偏がそうらしいとおっしゃる方がたくさんいらっしゃるのですが、私は中国偏の方がらしいかなと思いました。もちろん江戸偏もそうだろうなと思いますが。どちらにしろ中国偏が木原さんであってもなくても、中国偏の作者はすばらしいです。
すいません。実は第二巻全部と第5話、第7話読んでません…。もともと木原さん目当てだったもので…。
第六話、江戸偏。これは期待して読みました。多くの方が支持してましたし、なるほどあらすじは自分好み。確かに読めたし良かったです。ただ期待のほうがやや大きかったやも…。
私はどうも一とpollinationの裕也とは違うように感じた。確かに「知らない」ところは同じだが、裕也は感情と思考にどこか乖離性があるんだなぁと私は理解していて、そこいくと一は感情も思考も丸々一だった。裕也は感情と思考が乖離しているところに深みがあって、谷脇はそこに苦しめられ同時に救われてるんだろうと思う。一の場合は、感情と思考と行動が直結していて、そういう素直さを全部ひっくるめて幸之助は彼を愛しいと思ってるんじゃないかな。
難点をあげるなら、やっぱり話が短いせいで濃さが半減しているところ。あと、幸之助。彼、いい人すぎます!
あと読んだのはエピローグとその後ですね。
エピローグはややげんなり。そういうコンセプトの話だったっていうのはわかってるんですが、過去が思い浮かんで思い浮かんで思い浮かんで……思い浮かびすぎ!ちょっとしつこくて辛かった。
で、まあ、蓮君は剛将が今の自分を見てない!っと言って悩んでるんですが。これって結局解決したんですかね。過去ひっくるめて今のお前ってこと?なんだか永遠のテーマになりそうな悩みなのに、悩んでる期間少ないです。
あと、その後のお話はなんだか全体的に不安定な感じでした。一回山が来ていっちゃった?と思ったら、さらにでかいの来たぁ!…みたいな構成だった。誰が書いてるんでしょう?一人じゃないのかな。
シリーズ全体の感想としては、もう思い切って一冊一話で良かったんじゃないか?です。全体の流れの方を重要視してしまったからなのか、柱になってくるそれぞれの話がちょっと薄かったような気がする。もっとじわじわ語ってほしい所がありました。でもとりあえず、誰がどこ書いたのか知りたい(笑)
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